【STAFF BLOG】Time will tell

僕の大好きな戯曲のひとつに、『楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』という作品があります。本年4月に亡くなられた清水邦夫さんが書かれた作品で、4人の役者が出演する芝居です。

1977年に初演を迎えた少し古い作品ですが、累計の上演回数が日本一とも言われており、毎年必ずどこかしらの劇団やプロデュース公演の告知を目にします。

内容はそのタイトル通り、演劇の公演が行われているその裏側の「楽屋」が舞台で、4人の役者たちが様々な葛藤を抱きながら、各々が自分の出番に備えて過ごす様子が描かれています。

この大好きな戯曲の冒頭には、ひとつの詩が書かれています。


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日々のいのちの営みが
ときにあなたを欺いたとて、
悲しみを又いきどおりを
抱かないで欲しい。

悲しい日々には
心をおだやかに保てば、
きっとふたたび
よろこびの日が訪れようから。

こころはいつも
ゆくすえのなかに生きる。

いまあるものは
すずろに淋しい思いを呼び、
ひとの世のなべてのものは、
束の間に流れ去る。

そして、
流れ去るものは
やがてなつかしいものへ。
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皆さんはこの詩を読んで、どんなことを感じるでしょうか?

この詩自体は、清水さんではなく、ロシア詩人のプーシキンという方が書いたものが引用されていますが、僕が学生時代に初めてこの詩を読んだ時は、なんて優しい詩なんだろうと感じました。

詩の解説は割愛しますが、私は辛くなった時に、この詩を思い出して、時に小さく唱えてみたりして、自分の心を少し軽くしてあげます。表現活動をしていて、一番良かったなぁと思うことは、人生に起こる全ての出来事が、自分の糧になるということです。

生きていてこんな文章に出会えば、心の支えになってくれることもありますし、何か辛いことがあったとしても、また別の時にその経験は、自分の表現に生かしていけると思うと、本当にどうしようもないことは無いんじゃないかと思えます!

そんな役者の生き方に、清水さんはこの詩をかけて引用し、人々の心をすくおうと考えたのではないかと感じました。

活動するYTJメンバーやスタッフ全ての人が、レッスン以外の場所でも生活が繰り広げられていて、上手くいくことも、そうでないことも沢山あることでしょう。そんな中で、YTJのレッスンに励んでいたり、舞台に立っている時間だけは何にもとらわれず自由に表現を楽しめるような、そんな時間にしたいと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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